麻雀訪問記

麻雀訪問記5


かなり古い話で恐縮ですが、ある朝突然某官庁からの呼び出し電話にドキッ!
落ちついて話を聞いてみると、全自動の雀卓を購入したい。七階だかの会計課に来るようにとのことでした。
当時トリカブト事件などで玄関から五階あたりまで、マスコミ報道陣でごった返していました。
車を駐車場に入れ、十数メートル歩いたあたりで、後ろから大声で呼び止められ、振り向くと守衛さんが追いかけてくるではありませんか。
「皇居にお尻を向けるな!」最初何の事やら解らなかったのが、良く聞いてみると、私の車がお堀りの方にお尻が向いているから、すぐに直せということでした。
見るとたしかに他の車は全て皇居に前を向けて駐車してありました。
知らぬこととは申せ守衛さんに謝りながらも、心の中では、あんなお堀りを挟んだ遠い森の中で陛下は気にしてないよ、とブツブツ独り言。
二度もドキッとさせられた一日でした。

麻雀訪問記4


今でも忘れられないその年の一番の大仕事でした。
新宿のI店が改装オープンで、一度に25卓入れ替えることになりました。
搬入は軽いアモスでしたが引き取りが重い台のため、二階から下ろすのに大変でした。
オーバーホールに半分残し、掃除しただけのものを、かなり安い価格で新聞広告を出しました。
来店持ち帰りの条件でしたので、当日7組のお客様で、またてんてこ舞いでした。
その翌日乗用車で来店のお客様があり、とても積んで帰れず、私がいっしょにに運んで行くことになりました。
元麻布のマンションのオーナーで、80歳過ぎて今でも週一回のテニスと家族で囲む麻雀が何よりの楽しみとのことでした。
十日程して、メンテに呼ばれ、作業後の雑談の折に息子さんの嫁を探しているとの話になり、私も軽い気持ちで家内の妹が独身でいる等話したところ、急に机の中から写真を持ち出し、持たされるはめになりました。
家内に話したところ「あの娘、仕事が乗っているところだし、結婚する気などないよ」 本人にも云えぬまま話は立ち消えになったのでしたが、二年ほどしてメンテに呼ばれ、ご両親からまたあの話が持ち出されました。
その夜、話だけでもと、妹を呼び写真を見せて話したところ、会ってみたいとの返事に、早速先方に伝えたものでした。
数日後、三人でM邸を訪ねました。一階で喫茶店をやっている息子さんに会い、二人はその後、二、三度のデートを重ねただけで、とんとんと話が進み、あわただしい12月の結婚式でした。
それから二年後、八十八歳で他界された父親を病院に見舞った折、「息子のことでは、本当に安心しました」涙して手を握ってくれたのでした。
妹、夫婦は仲が良く、今でもお盆と正月には我が家にやってきて、ポン、チイをやって帰ります。
麻雀がとりもった不思議な縁でした。

麻雀訪問記3


先日修理の依頼があり、多摩の方に行ってきました。
「1ヶ月前にネットオークションで買ったのだが故障ばかりして困っている」話を聞いてみると、地方の雀荘から、運送屋さんが運んできたとのことでした。点棒表示枠がついて椅子もセットで25万円は安いと思われたのでしょう。
早速中を開けてみたら、ひどい汚れかたで、長い間手入れなどしてない感じでした、2時間程かけて分解掃除をし、部品も2、3点取り替え本体は良くなったのですが、点棒枠の方は改良される前の初期の古いタイプのせいもあり、いくら汚れをふき取っても、正確に表示できませんでした。
麻雀卓は保守点検を必要とする機械です。手入れの方法や簡単なトラブルの直し方位は説明を受け、保証のついたものを選ぶべきでしょう。

麻雀訪問記2


5年前の11月頃だったと思う。
何件かのメンテを終えて帰宅した私の元へ突然一本の電話。
「茨城の田中(仮名)だ!自動雀卓の新聞広告を見た、明日配達してくれ!勤めがあるから夕方6時過ぎにな!」住所と電話番号を言い残し、電話は早々に切れた。
なんとも強引な注文でしたが、翌日荷物を積み込み、家を出たのが3時頃、冬の日落は早い。高速を出たあたりで辺りは既に真暗(ナビよ、おまえだけが頼りだぞ・・)
田んぼ道を走ること約1時間、そこへ「目的地に着きました案内を終了します」(ええーーなんだ?なんだ?ここが926番地?どうみてもカエル様の住まい)6時をとうに回っていたので急いで電話をしてみる。「遅かったな〜どこに居るって?その辺に墓があるだろう」・・・「いや〜暗くて何も見えないっす」何度かやりとりのあと、田中様に懐中電灯を廻しながら道まで出ていただき、やっとの思いでたどり着いた。設置を終えて試運転完了、時計はすでに8時過ぎだった。帰ろうとすると「御苦労さん、今日はありがとう!夕飯はまだだっぺ、食べてってくれ」となんとも優しい田中様の声に私はありがたくご馳走になり、帰路についたのでした。1日がかりの仕事となったが、接してみなければ分からない人間の温かさに触れ、妙に心満たされた一日だった。
でも田中さん、今度呼ぶときには日のある内にネ・・・。

麻雀訪問記 1


この頃、耳にする言葉に、“パチンコ依存症”というのがあります。以前私が手がけた、そのマージャン店は神田のビルの7階にありました。1階がパチンコ店でオーナーが同じこともあって、時々寄り道をしては店長とよく雑談したものでした。「繁盛してるねぇー、税務署が怖くなるねぇ・・・」「いやぁー怖いものは他にあるんです」聞くと毎日5,6人のお客様が2階のサラ金に上がって行くのを見ているのだそうです。いずれこのお客様はこなくなるだろう、というのです。
ある日、5箱程積み上げているオバチャンが居た。その隣で私も打ち始めました。しばらくするとオバチャンが「急用ができたのでちょっと代わってくれない?」見れば確変で出玉の最中なのに・・「ああ、いいですよ」ハンドルを私に預けると、そそくさとどこかへ行ってしまったのです。それから20分も過ぎた頃か、オバチャン、缶コーヒー2つもって帰ってきた。ひとつを私に「どーもすみません」とペコリ。話を聞くと会いたくない人が店に入ってきたのでトイレに隠れていたのだとか。どうやらサラ金に追われているらしい。ほどほどにしないと人生棒に振るよ、オバチャン。つぶやきながら店を出たものでした。

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